六道珍篁寺 精霊迎え
2015年 08月 16日
精霊(御魂 みたま)を迎えるために六道珍篁寺に参詣する
「六道まいり」という風習があります。
この賑わいの中に身をおきたくて、京都にやってきました。
学生時代からの友人、京都在住のkazumiちゃんと合流し
車で連れて行ってもらいました。
父方の本家所縁のお寺ですが、普段はひっそりとしているお寺も
この日ばかりは、大変な賑わいです。
この風習は、平安時代にこのあたりが、墓所鳥辺山の麓で
俗に「六道の辻」と呼ばれた京の東の葬送の地だったことで
ここは、生死の界(冥界への入口)であり
お盆、冥土から帰ってくる精霊たちは、必ずここを通ると信じられといたからです。
古来より、精霊は槇の葉に乗って冥土より帰ってくるといわれ
参詣前に境内参道の花屋で高野槇を買います。
kazumiちゃんもお婆ちゃんの初盆の時
叔母さんに連れてきてもらったのが初めてだったとか。
京都の人達にとっては、いにしえから続く夏の風物詩のひとつだと思います。
高野槇以外にも仏さまにお供えする植物が売られています。
八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の目ともいわれる鬼灯(ほおずき)。
鬼灯は「精霊の足元を照らす灯り」ということを最近知りました。
本堂で水塔婆(みずとうば)に戒名俗名を書いてもらいます。
迎え鐘をつきます。
鐘楼の建物の横から綱が伸びて鐘は見えません。
この鐘は、その音響が十萬億土の冥土にまでとどくと信じられ
亡者はその鐘の音の響きに応じ、この世に呼びよせられるといわれています。
こんな話を聞いてから鐘の音に耳を傾けると
単純だけど地の底にまで響くような音色です。
水塔婆を線香で浄め
多くの石地蔵がある境内「賽の河原」と称するところで
高野槇で水回向を行ないその後、ここに納めます。
高野槇は、"おしょらいさん"とともに
懐かしき我が家へのしばしの里帰りとなります。
宗派を越えた京のお盆は
千年の時空を越えて脈々と受け継がれ
ここで精霊を迎え、8月13日から始まり
精霊をあの世へ送る16日の五山の送り火で終わります。
六道珍皇寺の御朱印帳がありました。
小野篁卿が表紙に、背景は熊野観心十界図です。
この期間、紺紙金泥に金朱印で「薬師如来」「小野篁卿」「閻魔大王」の御朱印が
授与されていましたが、参拝した時にはすでに無く
奇数年の慣しの、金朱印「日光菩薩」を授与していただきました。
帰りは、六道の辻で父から頼まれた幽霊飴を買って帰ります。