法隆寺西円堂と御所柿
2016年 08月 01日
西大門をくぐり左の石段を登っていくと
西円堂や三経院及び西室があります。
どちらも国宝ながら観光コースから外れているので
人通りがほとんどありません。
一昨年前に行った河野先生のガイドでは入っておらず
帰ってからパンフレットで気がついた場所です。
南北に長い三経院及び西室を南から眺めます。
平側は京都の三十三間堂よりも長いんじゃない?
と、思い調べたけど十九間しかありませんでした。((+_+))
門から先が西室で棟続きながら
門で三経院と別れています。
西院伽藍の外にある東室と一対になっているそうです。
更に石段を登ると西円堂に到着。
円堂と名前は付いていても八角堂でした。
が、夢殿とそっくりさんで!
帰ってから夢殿で撮った写真と穴があくほど見比べました。
軒先の二重の垂木も美しい!
このあたりの意匠も夢殿と一緒。
西円堂には柱の上の斗栱(ときょう)が角の柱にのみ付いて
基壇が低いせいか手すりはありません。
夢殿は全ての柱に斗栱がついています。
建物の大きさはどちらも同じだから
夢殿の屋根が重量級ってわけではなく
装飾としての役目だったのでしょうか?
どちらも行基が建立したものですが
現在の西円堂は鎌倉時代に再建されたものでした。
ということは夢殿が雛型になっているのかな?
でも、ここは拝観料なしで見られるという太っ腹な国宝です。
すぐ近くにあった鐘
隣で団体旅行のガイドさんが正岡子規の俳句
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」
で有名な鐘と紹介されていました。
う~ん
私がここに来る前に読んだ本には
『子規が雑誌「ほととぎす」の中で
「御所柿を食ひし事」と題して
「奈良の旅館で御所柿を食べていると東大寺の鐘が鳴った」
と記していて、そのときの情景を詩情豊かに書き表し
後日、この名句が生まれた』
と書かれていたんだけど...。
まあ、どっちでもいいや。
法隆寺で詠まれたという説(?)では
この下にある茶店で御所柿を食べていた時だそうです。
御所柿は今では「幻の柿」と言われているそうですが
この鐘は今も
斑鳩の里に時を伝えているということです。