賑やかな鉱山町の夢の跡 柵原鉱山資料館
2016年 10月 06日
吉ヶ原駅の奥に『柵原鉱山資料館』があります。
昭和30年代、ここ柵原は東洋一と謳われた鉱山の町で
ひときわ異彩を放った町だったようです。
柵原鉱山の硫化鉄鉱は高品質で硫酸の優れた原料として
日本の科学重工業の発展に伴い各方面で重用され
昭和30年代、鉱山で働く人だけで3000人を超え
町は大いに賑わったといいます。
片上鉄道ができたのも片上港へ鉱石を運ぶためでした。
中でも驚いたのは3000人を収容する集会所があったこと!
現在の倉敷や岡山市民会館よりも1000人以上入ることができます。
また、日用品の品揃えを誇った供給所も県下一で
地元の人のお話では
「岡山になかったら柵原に行け。」という言葉があったそうです。
この建物の中に当時の鉱山町の賑わいを体験できる
映画のセットのような街を再現していました。
地下はそのまま掘削した坑道の跡で
当時の掘削作業機の実物が見られました。
写真撮影ができなかったので
片上鉄道保存会の資料館のHPからどうぞ。 → ★
坑道は巧妙に設計され、採掘された鉱石は
中央竪鉱から地上に運びあげられ選鉱場で選別され
高瀬船や鉄道で各地の精錬所に運ばれた様子がよくわかります。
柳原鉱山竪鉱櫓のレプリカ。
40年代に入ると海外から安価な鉱石が輸入され
工場の廃ガスから硫酸を回収する新技術も開発され
需要は次第に減少し、1991年に柵原鉱山は閉山します。
一方、終堀後の鉱山では
酸性の鉱水を中和して吉井川に流す作業が今も続けられている
という説明もあり驚きました。
「や~めた。」で終わりではないのですね。
追記
ここで先月、あのジョン・ウー監督の映画撮影があったそうです。
主演は福山雅治氏だったので、付近は厳戒態勢だったとか。
公開は2018年とか、どんな映画なんでしょう?
タイトルは『追捕 MANHUNT』です。
この映画で鉱山公園も有名観光地の仲間入りになるかな?
シルバーウィーク&初秋のお出かけスポット!