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当尾の里を歩く 岩船寺

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今日は奈良京都の県境へ。
平安時代末期から鎌倉時代にかけての仏教美術ツアーです。

まずは、岩船寺へ。
ここは関西花の寺二十五ヵ所霊場の第十五番でもあり
今は、紫陽花が咲き始め、睡蓮が見ごろでした。


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境内に入っていちばんに目を惹く三重塔。
室町時代の建築で重要文化財です。
内部の壁画も平成15年に復元されています。

「奈良語り部の会」の河野先生に
「歴史や建築史では、建立した人の名は出てきますが
設計者や棟梁の名前は出てきません。
彼らの地位は低かったのですか?」
と尋ねたところ

古くは建物の設計者の記述が少なく
建物や瓦に名前を残すのはずっと後の時代で
塔の相輪や瓦を作る人の事を
当時は博士と呼び尊敬されていたそうです。


当尾の里を歩く 岩船寺_d0295818_14372166.jpg

中でも興味深かったのが
三重塔の四隅の垂木を支えているのが天邪鬼です。

四天王像の足で踏ん付けられている姿がお馴染みですが
仏教発祥の地、インドでは天邪鬼は
“森の精”と云われているそうです。
角や牙は無く、お猿さんのようなユーモラスな姿です。


当尾の里を歩く 岩船寺_d0295818_14392915.jpg

塔の前にある阿字池には睡蓮の花が咲いています。

岩船寺は天平時代、聖武天皇が僧行基に命じ
阿弥陀如来堂を建立したのに始まり
最盛期には、東西十六町、南北十六町の広大な境内に
三十九の坊舎を有していたそうです。


本堂の中は撮影が禁止でお寺のHPも見当たらなかったので
写真がありませんが

本堂には行基作といわれる阿弥陀如来坐像がセンターに
なんと、高さ5㍍の欅の一木(いちもく)造りです。
阿弥陀如来は極楽浄土に導いてくれるありがたい仏様です。

欅は非常に固く、しかも暴れるので彫物には向いていません。
しかも一本の欅の大木から作られ、千年以上たった現在でも
金箔が残り優美な姿を保っているのは
相当、精巧なつくりだと思います。

重要文化財ですが国宝級の作品だとか
須弥壇の四隅には四天王立像

普賢菩薩騎象像も重要文化財ですが
国立博物館へ出張中で見ることはかないませんでした。
お陰で、空っぽの厨子の背面に描かれた
法華曼荼羅がよく見ることが出来ました。


当尾の里を歩く 岩船寺_d0295818_1514714.jpg

岩船寺をあとにし、浄瑠璃寺へ向かいます。

この辺りは、当尾(とうの)の里といい
摩崖仏や石地蔵が数多く見られる
石仏の道として知られています。

鎌倉時代、南宋から来た石工が石の加工技術を伝え
石仏が盛んに作られたそうです。

by mami-2013 | 2014-06-21 18:30 | 2014.06 平安時代教科書の旅 | Comments(0)

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