備前長船光太郎包丁工房見学会 ~鍛錬編~
2018年 05月 22日
長船町は鎌倉時代から刀鍛冶の本場として栄え
優れた刀工を多く生み、質・量ともに他国を圧倒し
国宝の刀剣111口のうち半数以上が備前刀と聞きます。
まず、日本刀の材料となる玉鋼を見せていただきました。
軽石のように気泡だらけなのにこの大きさで
お腹にまでずっしりとくる重さでした。
刀匠川島一城氏の工房の中です。
ここで日本刀鍛錬を見学させて頂きます。
油をさしているところです。
鋼を鍛錬するための機械です。
川島氏は「坂本くん」と呼び可愛がっていました。
まず、火をおこすところからです。
太い針金のような鉄を槌で何度も何度も叩き
わかるでしょうか? 火がついたところです
薄く削った杉にイオウが塗ってあり、それに種火をうつします。
(火を熾すという発想がありませんでした。
火を火炉(ほど)に移して鞴(ふいご)で
素早く風を送り木炭をくべます。
木炭は、貴重な赤松です。
火花が炎に変わっていきます。
いよいよ、玉鋼を火炉(ほど)にいれます。
炎の色を見ながら800度に温度を上げます。
炉から取り出した鋼を鍛錬します。
坂本くんの出番です。
鍛錬というと複数で呼吸を合わせ
トントン、カンカンと叩くのを思い浮かべますが
今は機械化されています。
昔ながらの鍛錬を古式鍛錬といいますが
いくら機械化されても古式鍛錬による製作方法や
機械自体も使いこなせないのではないかと思いました。
ちなみに、備前長船刀剣博物館をググッてみたら
来月の古式鍛錬は川島一城氏ではありませんか!
そして、また火炉の中に入れ鞴で風をおこし
鍛錬…と、何度も繰り返します。
途中で鞴の体験をさせていただきました。
鞴をゆっくりと動かしていると
鍛冶(たんや)研磨す 幾百回
霜降(そうこう)三尺 玉に埃無し…という
大鳥圭介の漢詩「日本刀」を思い浮かべました。
(鉄を幾百回となく鍛えて焼きを入れ研ぎ磨き
そして出来た日本刀は霜が降りたように輝き埃一つなく澄んでいる)
長くなったので次回に続きます。
「地球の歩き方」特派員ブログも
良かったらご覧ください。
今月は 蒜山高原 をレポしています。
👇
ブログランキングに参加しています。
にほんブログ村